産婦人科

月経不順・無月経

原因は?

多くの女性は平均12歳で初潮を迎え、数年して生理周期が整います。3~7日の日数で、25~38日の周期で生理がきます。この周期は女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類のホルモンの働きによって調節されています。

何らかの理由でこれらのホルモンの分泌に障害が生じると生理は不整になります。

正常の生理サイクルは20日以上はずれないので、妊娠!もしくは何らかの原因があるということになります。

まずは基礎体温を婦人体温計で測定して、低温期、高温期があることを確認してみましょう。高温期がなかったり、高温期があっても10日未満であったりしたら一度ホルモン検査をされることをお勧めします。

ホルモン検査には血中のエストラジオール(エストロゲン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)、下垂体から出る卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、乳汁分泌ホルモン(PRL)、甲状腺ホルモンなどをチェックします。

治療は?

原因によって治療法が異なります。

①第1度無月経(卵胞ホルモンはある程度保たれた無月経。黄体ホルモンの内服で生理がくる無月経)

第1度無月経に対してはクロミッドと呼ばれる排卵誘発剤が第一選択としてよく用いられます。挙児希望のない方は周期的な黄体ホルモンの内服をします。

②第2度無月経(卵胞ホルモンと黄体ホルモンの補充でよっやく生理がくる無月経)

第2度無月経に対しては、エストロゲンとプロゲステロンを周期的に投与する方法(カウフマン療法)によりサイクルを正常に戻します。

③無排卵性周期(生理は繰り返しあるものの、基礎体温では排卵が確認できない場合)

無排卵性周期に対してはクロミッドを内服する方法が効果的です。

④多のう胞性卵巣

挙児希望のあるなしや肥満の有無で治療の選択が異なります。

⑤高プロラクチン血症

抗精神病薬や抗うつ薬、制吐剤の内服や甲状腺機能低下症で高プロラクチン血症になり無月経になることがあります。その場合は薬の中止・変更や甲状腺ホルモンの補充で対応します。

高プロラクチン血症の原因が下垂体腫瘍であることがあります。腫瘍でも大きなものでなければ内服薬で維持できますが、大きなものでは脳外科的な手術が必要な場合があります。

不整出血

原因は?

生理以外の子宮からの不整出血で、特別な病気(子宮ポリープや頸管炎や悪性腫瘍、妊娠関連など)がないものを機能性子宮出血と呼びます。

原因には女性ホルモンの分泌不全があると考えられます。ほとんどの場合、出血は自然に止まります。7日過ぎても出血する場合には機能性出血でない場合もあますし、治療を兼ねて受診をお勧めします。

治療は?

妊娠や悪性腫瘍を検査で否定でき、機能性子宮出血と診断したところで、出血の程度により止血剤の内服もしくはホルモン剤内服など行います。


月経困難症(重い生理痛)

原因は?

初経をむかえて2~3年後から非常に重い生理(下腹部痛、腰痛、嘔気など)で、学業や仕事がままならないといった症状で来られます。

妊娠出産の経験のない10歳代には骨盤臓器に特に異常のみられない機能性月経困難症であることがほとんどです。

機能性月経困難症の原因は子宮の出入り口の部分が狭かったり、プロスタグランジンという子宮収縮ホルモンによる子宮の過剰な収縮があると言われています。

年齢とともに症状は軽快しやすく、妊娠出産によって症状が消失もしくは軽くなることが多いです。

ただ一方で、鎮痛薬が効かないような頑固な生理痛の方には「子宮内膜症」をはじめ、骨盤内に病気が存在する場合がありますので、そういった原因疾患がないかを調べていくことも大切です。

治療は?

原因にプロスタグランジンが関与しているため、プロスタグランジンの合成阻害薬である非ステロイド抗炎症薬(ロキソニンやボルタレンなど)内服をします。アセトアミノフェン(カロナールなど)の方が効くという方もいらっしゃいます。

コツは「痛くなったら飲む」ではなく、「痛くなりそうになったら飲む」です。慣れてくると出血し始めて何時間後から飲むと無痛で過ごせる、といったように、ご自分の痛みの具合がつかめるようになってくると思います。

生理痛は我慢する必要はありません。痛み止めはくせになったり体に悪いなどと言われる方もいらっしゃいますが、生理のあるご年齢に適切に使用するぶんには問題は生じません。

東洋医学的には骨盤内に血液がうっ滞する「瘀血」という症状ととらえて漢方薬で体質改善するとよい方もいます。

避妊も兼ねて低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬(LEP)を処方することもあります。

月経前症候群(月経前緊張症)

原因は?

生理の2週間前から数日前になると、下腹部痛や頭痛、乳房のはり感、むくみなどの身体症状、イライラやめまい、うつ状態などの精神症状がでて、生理がきてしまえば消失する周期性をもった症候群(いろいろな症状のあつまり)を月経前症候群(月経前緊張症)といいます。

排卵の後に卵巣から分泌される黄体ホルモンの影響といわれたり、生理前に脳内のセロトニンといわれる神経伝達物質が減少するせいとも言われています。

治療は?

基本的には対症療法になります。鎮痛剤や安定剤、抗うつ薬、漢方薬、利尿薬などを単剤もしくは併用で治療していきます。

性感染症

性行為によって感染する疾患を性感染症といいます。気が付かないうちに病状が進行してしまうことも多々あるため、早めに受診して適切な治療を受けましょう。

  • クラミジア感染症

    クラミジア・トラコマティスという病原体によって生じる性感染症です。女性のクラミジア感染は一般的に症状が乏しいため診断が遅れがちになるため注意が必要です。

    クラミジア感染を放置すると、炎症が子宮から卵管を通って腹腔内に広がり腹膜炎となったり、卵管が癒着して不妊の原因になったりします。

    クラミジアの検査はおりものや血液検査で行い、治療は抗生剤の内服になります。性感染症全般に言えるのですが、ピンポン感染(男性との間を病原菌が行ったり来たり繰り返し感染してしまう状況のこと)を防ぐ意味で、パートナーも一緒にお薬の内服をしてもらいます。

  • 淋菌感染

    淋菌という菌の感染によって起こり、膿のようなおりものや排尿時痛がみられますが、男性ほどの症状を来さないことが多いです。クラミジアと同様に、放置すると骨盤内にまで炎症が波及してしまいます。治療は抗生剤の内服になります。

  • 性器ヘルペス

    単純ヘルペスウイルスに感染することによって起こる性感染症です。感染後数日の潜伏期をおいてから外陰部に痛みやかゆみが出現し、さらに水疱や潰瘍ができます。高熱が出たり、排尿もままならないほど外陰部が腫れてしまう方もいらっしゃいます。

    治療は抗ウイルス薬の内服ですが、上記の細菌の感染と異なり、ウイルスの勢いは弱められるものの、体内からウイルスを駆逐することは出来ません。

    ですから抵抗力が落ちたりすると再燃することがあります。疲労やアルコール摂取、ストレス、睡眠障害が再発を誘発するので、疲労やストレスを避けて睡眠をしっかりとって、規則正しい生活を送るようにしましょう。

    性器ヘルペスが年に6回以上も再発する方の場合には、抗ウイルス薬を1年ほど長期にわたって内服して再発予防をはかることもあります。

  • カンジダ膣炎

    カンジダという真菌(カビ)の一種が、膣や外陰部に感染し、炎症を来した疾患です。かゆみが強いです。妊娠や糖尿病や抗生剤の内服後などに発症しやすいと言われています。

    治療には抗真菌薬の内服もしくは膣錠、外用剤などを行います。

  • トリコモナス膣炎

    トリコモナス原虫の感染によって痒みや泡沫状のおりものがみられます。性交渉以外にも、公衆浴場のお風呂椅子などでの感染がいわれています。

    治療は内服の治療になります。

子宮筋腫

原因は?

子宮筋腫とは子宮に出来る良性の腫瘍です。非常に頻度は高く、30歳以上の女性の3~4人に1人は見つかるといわれています。そのほとんどは無症状で経過し、子宮がん検診や妊娠の健診をきっかけに発見されることも少なくありません。

子宮筋腫のできる場所によって粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫の3つに分類されます。

筋腫の発生、発育には女性ホルモンであるエストロゲンが関与しており、エストロゲン分泌が活発な年齢の方ほど、筋腫が大きくなる可能性が高いといえます。

大きさと筋腫のできる場所によって、過多月経、不正出血、生理痛、腹痛、腰痛、頻尿、便秘、不妊などの症状が出現します。

治療は?

筋腫をもったすべての女性が治療の対象になるわけではありません。

過多月経や腰痛、腹痛が筋腫で説明がついて、内科的な治療では改善しない場合や、閉経後にも関わらず増大傾向がみられる場合、筋腫が不妊症の原因と思われる場合などは手術の適応になります。手術が必要な場合には適切な施設へのご紹介を致します。

手術を希望されない患者さんで、閉経に近い患者さんにはGnRH療法といって、ホルモン的に閉経に近い状態にする注射治療(4週に1回)をお勧めすることもあります。このGnRH療法(偽閉経療法)は通常半年間を1つの単位として行います。骨粗鬆症などの副作用を最小限に抑えるためです。

子宮内膜症

原因は?

本来は子宮の内腔に存在する子宮内膜組織が子宮内でなく他の場所、例えば卵巣や卵管や腹腔内(腸管や腹膜)に潜り込んで発育してしまう病気です。子宮内膜組織ですので、生理のたびに局所で小出血を起こし痛みや骨盤内臓器の癒着の原因となります。骨盤内臓器の癒着がひどくなると、生理の時だけでなく普段から腹痛、腰痛が出たり、排便時や性交時の痛みが出たりします。

内診で子宮、卵巣の大きさや癒着の有無などをチェックします。また超音波検査で骨盤内臓器の様子も観察します。採血で血液中のCA125(本来卵巣腫瘍のマーカーとして検査することが多いですが、重症の子宮内膜症では上昇することが多いです)などのチェックをすることがあります。

治療は?

薬物療法を選択することが多いです。以下の治療を単剤もしくは併用で治療することが多いです。

①鎮痛剤(非ステロイド抗炎症薬:NSAIDs)

②低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬(LEP)

③ディナゲスト(黄体ホルモン)

④GnRH療法(偽閉経療法:4週に1回の皮下注射)

⑤手術療法

それぞれ、患者さんの症状の強さや生活のスタイルに合わせて治療の選択をして頂くことになります。

③のディナゲストは症状改善にとてもよいお薬ですが、薬価が高めなのと不正出血があることが難点です。不正出血を起こしにくくするために④の治療を当初の3ヶ月使用することもあります。

子宮腺筋症

本来は子宮の内腔に存在する子宮内膜組織が子宮内でなく子宮筋層内に潜り込んで発育してしまう病気です。

子宮内膜症よりは過多月経の度合いが高くなります。子宮内膜症と合併することもよくあります。

治療は内膜症のところで挙げた治療や最近ではレボノルゲルトレル子宮内システム療法

といって、黄体ホルモンを浸み込ませた小さな器具(ミレーナ)を子宮の中に入れて、ホルモンを徐々に放出させるという治療をすることもあります。

腺筋症によって筋層がとても厚くなっている方や粘膜下筋腫がある方には残念ながら適応になりませんが、適応があればとてもよい治療と思います。一度子宮内に入れると5年間ほど効果が持続すると言われています。

子宮頸がん

子宮の出入り口(子宮頸部)にできるがんです。頸がんの発生にはヒトパピローマウイルス(HPV)の関与が強く、近い将来にはHPV検査併用の子宮頸がん検診が行われるようになる予定です。

HPVは自然界にごくありふれたウイルスの一種で、種類は100種類以上あります。そのうち頸がんの原因となるものは15種類ほどとされ、数年~数十年かけて子宮頸部の細胞をがん化させると言われています。

HPVウイルスに感染した女性のすべてが頸がんになるわけではありません。

このウイルスに感染しても90%以上の方では症状もなく、自分の免疫力で自然にウイルスが排除されます。

HPVが排除されずに長期間存在した場合には、子宮頸がんや前がん病変(軽度~中等度~高度異形成)に進む確率が少し高くなると考えられています。

診断には子宮の出入り口からブラシなどで細胞をとる細胞診と言われる検査を行います。現時点ではその細胞診で特定の結果が出た場合のみHPV検査を保険ですることになっています。

HPV検査を自費で行いたいという方はご相談下さい。

  • 子宮頸がん検診はいつから始めれはよいですか?

    性交経験から3年後もしくは20歳から行いましょう。毎年受診していれば30歳代、40歳代で進行癌で見つかって命を脅かされることはありません。

  • 検診の間隔は?

     通常の頸がん検診は1年に1回です。ただ30歳以上の方で、細胞診とHPV検査が両方正常であれば3年毎でもよいです。

  • 何歳まで検診を受ければよいですか?

    他の臓器のがんと異なり、子宮頸がんはゆっくり進んでいくがんです。70歳以上の方で検診結果が続けて3回以上正常である場合には、検診を終了してもよいと言われています。

    また婦人科の良性疾患で子宮を摘出している方は年齢にかかわらず子宮頸がんの検診は終了になりのます(ただ何十年も前の手術の方は稀に子宮頸部が残った手術をされていることがあるので、検診対象になることがあります)

子宮体がん

子宮頸がんよりも年齢が上がり、閉経前後の女性にみられることが多い、子宮の内膜に出来るがんです。ただ30歳代、40歳代での発症もあるので、生理ではない不正出血で自然に止まらない場合には放置せずに受診をしましょう。

ホルモン異常が関連しているため、特に妊娠・出産の歴がない方、肥満、高血圧、糖尿病などを合併している方に多く、注意が必要です。

検査は超音波で内膜の肥厚具合をみて、子宮内膜からの細胞採取(細胞診)を行います。

卵巣腫瘍

原因は?

子宮の両側にある、親指くらいの大きさの臓器です。思春期に入り初潮を迎えると、たくさんの未熟な卵胞が脳から出される下垂体ホルモンの刺激を受けて成長し、排卵が生じるようになります。

卵巣に腫瘍が発生する確率は女性の全生涯でみると5~7%程度とされています。卵巣の悪性腫瘍のリスクとなる因子としては

(1)内分泌因子 
(2)環境因子 
(3)遺伝因子
などがリスク因子としてあげられています。
(1)の内分泌因子は排卵の回数が多いほど卵巣がんのリスクが高まると考えられています。つまり、未妊や排卵誘発は卵巣がんに対して促進的に働き、経口避妊薬(ピル)による排卵の抑制は卵巣がんの発生を抑制すると考えられており、最近の少産傾向による妊娠・分娩数の減少や授乳期間の短縮により、妊娠・授乳による無排卵期間の短縮のため卵巣がんの発生が増加する傾向にあるとされています。
(2)の環境因子については動物性脂肪の多量の摂取や喫煙があげられており、
(3)の遺伝因子については卵巣がんを発生しやすい遺伝子異常をもつ家系があることが報告されています。

卵巣がんの診断は内診やエコー検査によって卵巣に腫瘍があることを発見することに始まりますが、それが良性か悪性かの診断には画像診断や血液中の腫瘍マーカーの測定が行われます。腫瘍マーカーとしてはCA125を中心としてCEA、CA19-9, CA15-3などの測定が行われますが、陽性率は70-80%であり、とくに初期のものでは陰性であることが少なくありません。

卵巣は腹腔内に隠れている臓器ですから子宮がんの検診のように細胞を採取して検診することはできません。
そういった診断法の限界から現在ではたとえ良性と思われても5cmを越えるものでは手術により切除し、組織学的に良性か悪性か確認する以外に方法がないわけです。

卵巣がんは早期の診断が難しいとされています。それでも何らかの下腹部の症状(痛みや膨満感など)を診断前から自覚されている患者さんは多いので、何かいつもと違うな?ということがあれば早めに受診されることをお勧めします。

治療は?

卵巣がんの治療の治療はまず手術を行い、たとえ完全に摘出できなくても出来るだけ腫瘍を取り除き、術後に化学療法を行うのが基本です。適切な病院に紹介致します。

更年期障害

原因は?

女性は平均51歳で閉経を迎えます。この閉経の前後5年くらいが更年期にあたります。この更年期の時期には卵巣の働きが衰えてくることによって、女性ホルモンの分泌が減少します。そうした女性ホルモン低下の状態が脳の自律神経系に影響を与え、のぼせ(ホットフラッシュ)、動悸、発汗、肩こりなどの血管運動神経症状や、イライラ、頭痛、不安感、不眠などの精神神経症状を引き起こします。

また女性ホルモンは骨量維持や血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の上昇を防ぐ役割があり、女性ホルモンが減少する更年期以降は骨量減少(骨粗鬆症)や高脂血症、動脈硬化などの発症にも注意が必要です。

治療は?

患者さんの症状や希望を聴きながら、以下の治療を単剤もしくは併用していきます。

①ホルモン補充療法(HRT)

②漢方治療

③抗うつ薬や抗不安薬の内服

④プラセンタ注射

「ホルモン補充治療というと何だか副作用がこわいな」といって尻込みされる方もいらっしゃいますが、血管運動神経障害(ホットフラッシュ、動悸など)の症状に対しては速やかに効果がみられますし、副作用も重篤なものはほとんどみられません。

患者さんの年齢や症状、子宮の有無などを考慮して、それぞれの患者さんにあった治療を提案していきますので、気軽にご相談下さい。

プラセンタ注射に関しては、美容皮膚科のプラセンタ注射の項目をご覧ください。

骨盤臓器脱(子宮脱など)

原因は?

骨盤の臓器を支えている支持組織(筋肉やじん帯)が伸びたりゆるんだりしたために、子宮が単独あるいは膀胱や直腸と一緒に下降してくる状態をいいます。

加齢であったり、頻回の出産による支持組織への過度の負担が引き金になると考えられ、その上で重いものを持ったり、便秘があっていきむ機会の多い方に発症しやすいと言われています。

治療は?

軽いものには、肛門をしめるような運動(ケーゲル体操)を続けて骨盤内の筋肉を鍛えたり、リングペッサリーを膣内に挿入し、子宮の下垂や脱出を防ぐ処置をとります。

このような対応で十分な方も多いのですが、おりものが多くなって継続困難な方もいらっしゃいます。

病状が進行したり、当初から完全な子宮脱(子宮の出入り口が膣口から飛び出ている)の方の場合には手術をお勧めします。専門的な病院へご紹介いたします。

避妊

女性にとって望まない妊娠は、身体的にも精神的にも苦痛なものです。当院ではその確実性から経口避妊薬(低用量ピル)をお勧めします。

ピルには4週間のうち21日間内服するタイプのものと、28日間内服するタイプのもの(7日分はプラセボということ)があります。効果はかわらず、飲み方さえ間違わなければほぼ100%避妊が可能です。その方のライフスタイルの合わせて選択します。

初めてピルを内服される場合には、生理の初日から1日1錠ずつ内服し、21日間内服したところで1週間休薬します(21日タイプのピル)。休薬中に生理がきます。1週間たったら、出血が止まっていてもいなくても、次の周期の内服を開始します。最初の1~2周期は不整出血があることがありますが、周期を重ねていくとおさまることが多いです。

  • ピルを内服するにあたっての注意点は?

    ピルはホルモン剤なので、特定のお病気をお持ちの女性は内服できない場合があります。多少血液を凝固させる作用があるため、血栓症の発症には常に注意が必要ですが、特に飲み始めの3ヶ月に多いと言われています。

    ただ妊娠時における血栓症の発症率が10万人あたり60人といわれていますが、ピル内服時にはその1/4の10万人あたり15人という発症率で、それほど多い副作用というわけではありません。

  • どんな持病や既往があると内服できないのですか?

    喫煙者には通常はお勧めしません。血栓症の発症率が高まるといわれているからです。あとコントロールのできていない高血圧や心臓疾患をお持ちの患者さん、深部静脈血栓症の既往のある患者さん、前駆症状のある片頭痛のある患者さん、

    乳がんにかかっている患者さんには処方ができません。

  • のみ忘れた時はどうすればよいですか?

1錠、2錠つまり2日間のみ忘れた時、つまり前回の内服から72時間以内であれば、まず気付いた時に1錠内服します。そしていつもの時間にもう1錠内服します。3錠以上のみ忘れた場合は内服している時期によって対応が異なりますので、クリニックに問い合わせて下さい。いっきに3錠内服してしまうのはやめましょう。

 

緊急避妊

排卵日前後の危険な時期だったのにうっかり避妊を忘れたり、コンドームが破れてしまったりして妊娠の心配がある時に行う緊急的な処置です。

性行為後72時間以内に卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤である中等量ピルを2錠、その12時間後にさらに2錠追加で内服する治療(ヤッペ法)と、黄体ホルモン単独で嘔気などの副作用が少なく、妊娠阻止効果も高いノルレボ錠があります。それでも妊娠阻止効果は100%とはならず、ノルレボ錠で81%と報告されています。

当院ではより安全性、確実性の高いノルレボ錠を処方致します。

不妊相談

不妊症の原因が女性側にないか一連の検査で調べます。まずお家で出来ることは排卵周期がしっかりあるかどうかを基礎体温をみてチェックすることです。当院ではその基礎体温のチェックと、ホルモン検査、卵胞計測などの検査をします。過去に卵巣の手術を受けていたり、早発閉経(40歳未満での閉経)の家族歴があったり、チョコレート嚢胞があったりする患者さんには卵巣予備能の検査であるAMH(抗ミュラー管ホルモン)の測定をお勧めすることもあります。その卵巣年齢によっては高度生殖医療が出来る病院にご紹介いたします。

当院では人工授精や高度生殖医療は行っておらず、自然周期や内服による排卵刺激+タイミングという方法をとります。数クール試しても困難であれば不妊専門病院へご紹介いたします。